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zoom RSS 【METライブビューイング】ヴェルディ:「リゴレット」

<<   作成日時 : 2013/03/10 10:00   >>

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2013年3月10日(日)午前10時開演
MOVIX京都
【MET上演日:2013年2月16日】

<出 演>
リゴレット...............ジェリコ・ルチッチ
ジルダ...................ディアナ・ダムラウ
公爵(デューク)..........ピョートル・ベチャワ
マッダレーナ...............オクサナ・ヴォルコワ
スパラフチーレ.............ステファン・コツァン
Monterone...............ロバート・ポマコフ
Borsa...................Alexander Lewis
Marullo.................Jeff Mattsey
Count Ceprano...........David Crawford
Countess Ceprano........Emalie Savoy
Giovanna................Maria Zifchak
Page....................Catherine Choi
Guard...................Earle Patriarco

<指 揮>
ミケーレ・マリオッテx

<演 出>
マイケル・メイヤー


既にあちこちで舞台写真や感想などを目にしてきたので、正直、見るまではあんまり気が進まなかったのですが、私はこのプロダクションそれほど嫌じゃなかったです。

一緒に見に行った母も「わかりやすかった」と言っていたので、もしかしたら、深くこの作品について知らないほうが楽しめるのかもしれません。

こういう演出も1回ぐらいはありかな・・・と思いますが、実際METはこのプロダクションを選んでしまったのですから、これから先何シーズンも、「リゴレット」といえばこのベガス・バージョンになるわけで、そう考えるとちょっと深刻かもしれません・・・・

私も、そう何回も見たいとは思わないし

今回、演出のメイヤー氏の意図により、日本語字幕がベガス・バージョンに合わせた形になっていました。
それほどギョッっとするものではありませんでしたが、翻訳家の方の苦労が感じられましたね・・・・・。

チェプラーノ夫人はマリリン・モンローもどきになっていて、デュークのセリフには「映画スターのように華やかな君がいなければ・・・」とかあり、おいおい、それは台本と違うだろう!とツッコみたくなることもありましたが、台本通りに訳してしまうと、あまりにもギャップが出てくるため、このプロダクションにはむしろこのほうがいいと思います。

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舞台は1960年代のラスベガス。
デュークのモデルはフランク・シナトラで、そのシナトラ率いるラット・パックを描いているとのこと。

私にはあんまりピンとこなかったのですが、インターミッションで「ディーン・マーティンをモデルにしている」という話題が出ると、母を始め客席のおばちゃんたちが反応。

どうやら、あのぐらいの世代には理解できるようです

でも、このラット・パックが面白かった。
今までほとんど注目していなかったボルサ、マルッロ、チェプラーノが、それぞれに見せ場や個性が与えられていて、とても活き活きと描かれていました。

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2幕で、自分たちがさらってきた女性がリゴレットの【愛人】ではなく【娘】だと知った時、マルッロだけが悔恨の表情を見せていたのも印象的。

モンテローネがアラブの大富豪といった設定は、あのメンバーの中で目立たせるためだったのでしょうか。
アイディアは興味深いと思いましたが、ガットゥラというのでしょうか、リゴレットがあの頭巾のようなものを真似して頭にかぶり、茶化しているのはあんまり感心しませんでした。

スパラフチーレとリゴレットのやり取りの後、リゴレットが独白"Pari siamo!"を歌いますが、ここにバーテンダーがいるというのはちょっと面白かった。
バーでバーテンさんにぼやく光景、ドラマだとよく見かけますしね。

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ジョヴァンナを演じていたのが、METの脇役では常連のジフチャックさんだったのですが、あまりにも化粧が濃くて、一瞬わからなかったぐらい(笑)
60年代のメイクなんでしょうね、アイシャドーが怖い・・・・

2幕でモンテローネが牢へ連れて行かれるシーンがありますが、これが、マフィアによって、大勢いる前でピストルで殺されちゃうんですよね。
ショッキングではありましたが、なるほどマフィアに消されるのか〜と妙に納得。
この演出なら「あり」です。

面白かったのは3幕。
稲光を表すフルートの音色に合わせて、バックのセットが稲光のように光るのが効果的でした。

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ジルダは殺された後、スパラフチーレの車のトランクに入れられます。
これもなかなか面白いアイディアだなと思いました。
現代の殺人事件なら、十分考えられます。

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さて、歌手についてですが。

圧巻だったのはジルダのダムラウ
数年前にTVで見たドレスデンの「リゴレット」では、そのteenagerのようなキャピキャピした演技があまり好きではなかったのですが、このベガス版ではそれが大当たり。

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歌唱テクが抜群なのはもちろんのこと、声量もすごいですし、聴いていてとても気持ちいい。
演技も、常に動いているか、表情を変化させているといった感じの大熱演でした。

対して物足りなかったのは、タイトルロールのルチッチ
残念ながら、今回のキャスト陣で一番印象が薄かったです

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彼の声は好きですが、こんなに感情が爆発しないリゴレット、私はあんまりお目にかかったことがありません。
モンテローネに呪いの言葉をかけられるシーン、ジルダが誘拐されたと知るシーン、リゴレットの大事なアリア"Cortigiani, vil razza dannaata"、そして瀕死のジルダを見つけるシーンなどなど、これらの見せ場・聴かせ場がどうも物足りなく、個人的には「もっと何かやってくれ〜!」って感じ。

1幕では自慢の美声も、調子が悪いのか音程が不安定でした。
2幕以降は調子が出てきたようで、歌に文句をつける点は無かったのですが、これだけの美声と歌唱テクがあるんだから、演技をもっとなんとかしてほしい〜!

このベガス版でやりにくかったのかな?とも思いましたが、ドレスデンの時も同じ感想を持ったので、彼のリゴレットはこういうものなのでしょう。

ダムラウとは何度も共演しているそうですが、私にはそんなに息が合っているように感じられませんでした。
2人の熱さが違うせいか、演技も違う方向に向いてしまっているようで、二重唱もどこかちぐはぐな感じ。

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デュークのベチャワは、実に楽しそうでした(笑)
彼には「ルチア」のエドガルドや「マノン」のデグリューで泣かされましたから、デュークなんか歌ってほしくないな〜と思っていたんですけどね

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ただ、この日の声はそんなに本調子には聴こえませんでした。
2幕冒頭のアリア"Parmi veder le lagrime"は聴かせどころですし、もうちょっと感動させてくれるかと思ったんですが。

むしろ、そのあとの"Possente amor mi chiama"のほうが、声の調子はいい感じ。
でも、ベチャワなら先のアリアのほうが合いそうだと思ったんだけどなぁ。

お馴染みの"La donna è mobile"ですが、最後のハイCがいまいち決まらなくて、早く切ってしまった感じで惜しい。
そのぶん、もう一度舞台裏で歌うシーンでは、思いっきりラストをのばしてリベンジしてくれましたけど(笑)

これ、インターミッションのインタビューでルネ様(フレミング)が、「高音を出す時は何を考えてるの?」なんて質問したことが影響してるのかな〜と思ったり。
出番前にそういうこと言われると、実際その箇所で気になるものですしね。
ま、彼らほどの一流になれば、そんなことぐらいで崩れたりはしないのでしょうけど。

いつも深刻な役を見ているベチャワが、実に楽しそうに演じていたのが印象的でした

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マッダレーナは出番こそ少ないですが、大事な四重唱を歌うわけですから大事な役。
しかし、このマッダレーナは・・・・

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ご覧のように美脚の持ち主ではありますが、声になんと魅力がないことよ・・・・。
マッダレーナは容姿も大事ですが、やはり声にも魅力がないと〜
集音マイクで拾っているだろうに、四重唱では声がほとんど聴こえてこないっ!

この人、来シーズンのオープニング「エフゲニー・オネーギン」でオリガやるんですよね・・・・・。
大丈夫なんでしょうか?オリガ、もっと出番ありますよ

嬉しかったのはこっつぁん(コツァン)のスパラフチーレ!
この人、声はいい声してるんですが、なんかいつもお経を読んでるみたいで抑揚がない・・・・。
私の周りでは「ムダなイケメン」とまで言われたりしていたのですが、このスパラフチーレは大当たり!

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イケメンも今回は無駄にならず!(笑)
こんな殺し屋、映画にも出てきそうじゃないですか?

1幕、リゴレットと出会う場面で最後に"Sparafucile"と、自分の名前を印象付けるために連呼しますが、最後の低音でのばすところ、どんだけのばすのぉ〜〜〜!?というぐらい伸ばしててすごかった!
お客さんも、やんやの喝采!

やっと合う役が見つかって良かったね、こっつぁん!
来シーズンも同じ役で出演予定。
ホロストフスキーがリゴレットなのでよろしく〜

見るまでは、プロダクションには目をつぶって、素晴らしいキャストの声に浸ろう!と思っていたんですが、実際に見てみると意外に楽しめちゃって、プロダクションのほうが印象に残った「リゴレット」でした

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なるほど(納得、参考になった、ヘー)

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
幕開きなんか期待高まってたんですけどね〜(笑)、デュークとかマルーロなんか巧く演出されてるし、エレベーターとか車のトランクとかラスベガスなら起こるかも...的で上手くいってるのに、何せ、来年のキャストを想定して(笑)観てたせいか、リゴレットが何者なのかが良く解らないのがう〜ん......一応モデルのコメディアンがいるそうですが、なんかそんな感じなかったですし。 べガス設定ならギャンプル中毒でデュークに借金がある人とか(笑)、カジノの従業員とか、何かデュークとの関係が明確だと良いと思うんだけれど。 あと、アーガイル柄のセーター=ジェスターっていうのは.....解り易過ぎか......(汗)? 
花宴
2013/03/12 05:14
■花宴さん
もうね〜、母がこのベガスバージョン気に入っちゃって・・・
わかりやすかったんですって。
ま、本来の「リゴレット」とは違いますから、初めて見る人に、これがヴェルディの「リゴレット」だと思われたら困るんですけどね。

エレベーターのアイディアも面白かったですね!
カジノの上層階にリゴレットの家があるって設定?

私も来年のキャストを想定して見てましたよぉ。
あのアーガイル柄のセーターに、銀髪をイメージして・・・(笑)
来年のリゴレット役に期待!!
娑羅
2013/03/12 22:49

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