【TV】メトロポリタン・オペラ ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」

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<出 演>
《出演》
シモン・ボッカネグラ..........プラシド・ドミンゴ
アメリア..........アドリエンヌ・ピエチョンカ
ガブリエレ・アドルノ..........マルチェルロ・ジョルダーニ
ヤコポ・フィエスコ..........ジェームズ・モリス
パオロ・アルビアーニ..........スティーヴン・ガートナー
Pietro..................Richard Bernstein
Maid....................Joyce El-Khoury
Captain.................Adam Laurence Herskowitz

<指 揮>ジェームズ・レヴァイン

<合 唱>メトロポリタン歌劇場合唱団

<管弦楽> メトロポリタン歌劇場管弦楽団

<演 出>ジャンカルロ・デル・モナコ

[収録: 2010年2月6日 メトロポリタン歌劇場 ]('11/2/22 NHK BSハイビジョンで放送)


ドミンゴ(以下ドミ様)は本当にスーパーマンですね。
御年70歳になるというのに、まだオペラの舞台に定期的に立っているし、レパートリーも増やしているんですもの。
ただ続けるだけならできるかもしれませんが、彼の場合はそれがちゃんんと高評価を得ているのですから、本当にスーパーマンとしか言いようがありません。

さすがにテノールの役では厳しいものも出始めているため、最近のドミ様はバリトンの役にも挑戦。
「リゴレット」に関してはこちらでレポを書かせていただきましたが、今度はシモン・ボッカネグラです。
バリトンにご贔屓さんがいる身としては、ドミ様のバリトン進出は脅威でもあります

今でこそホロストフスキー一筋(ま、浮気するときもありますが)の私ですが、そもそもオペラに興味をもったきっかけはドミ様でした。
高校・大学時代は、ドミ様が出演しているオペラやコンサートの映像は片っ端から録画し、大学のオーディオルームでもドミ様のオペラをよく見ていたました。

その後、バレエに浮気してしまってしばらくオペラから離れていた時期があり、再びオペラを見だした頃、オペラ界には新しいテノールがたくさん出てきていました。

しかし、それらの新しいテノールが歌うオペラを聴いてわかったことは、ドミ様がいかに役柄を説得力のあるものにしていたかということでした。
ドミ様で見ていた役を違うテノールで見ると、「なんだ~。この役ってこんな為所のないつまらない役だったのか~。」と思うことが多く、ドミ様の偉大さを改めて思い知らされた次第です。

シモン・ボッカネグラ。
実は、今までにカップッチッリの映像と、ホロストフスキーのラジオ録音しか経験がありません。
なのでこのオペラについては知らないことも多いのですが、最近METでの名演をラジオ録音で聴けたこともあり、大好きなオペラの一つとなりました。

若きシモンが登場するプロローグでは、さすがに「ちょっとキツイかも・・・」などと失礼なことを思ってしまいましたが、全体としてはやっぱりドミ様、説得力があって引き込まれてしまいました。

インタビューで「プロローグでは、あまりアップにしてくれるなと言ってあるんだ」「(1幕以降のほうが)実年齢に近いから演じやすい」などと仰っていたドミ様。
実年齢に近い・・・・?シモンってそんなにお年なの?
プロローグと1幕の間には25年の月日が流れていますが、アメリアが25歳だとしたら、シモンは50代ぐらいなのでは?

ま、オペラの役柄で年齢はほとんどあってないようなものですが

こちら↓は若きシモンを演じるドミ様。写真ではなかなか様になってます。
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2月、同じくMETでホロストフスキーがシモンを歌ったけど、なぜかプロローグの写真はupされなかった・・・。
茶髪のカツラをつけた貴重なお姿だったのにー。

ドミ様に話を戻すと、歌唱の点では、やっぱりテノールならではの弱点も出たことは否定できません。
と、いうのは低音の響きなんですよね。
バリトンとしてデビューしたドミ様ですし、バリトンンの音域も苦にはならないんだろうと思いますが、低音の響きがいまいち深くない。
低音好きとしては、これはもどかしいのであります。
ドミ様が一番安定して、なおかつこちらが聴き惚れるのは中音域でした。

オペラとはなかなか難しいもので、主役がいくら素晴らしくても、公演そのものがそのレベルに達しないこともあります。
今回のシモン、個人的にはドミ様以外印象に残る人がいませんでした。
2月にラジオで堪能した同じくMETのシモンでは、ラジオだったにも関わらず、タイトルロール以外のキャストもそれぞれ超一級品のパフォーマンスを聴かせてくれて、全体のバランス・一体感も抜群だっただけに残念に思いました。

アメリアを歌ったのはピエチョンカ。
ガッシリした大柄な方で、あんまり娘らしく見えない・・・・。

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しかしオペラ歌手にあんまり見た目のことを言ってはいけない。要は歌が良ければいいのだ。
・・・・と思い直してみるものの、残念ながらこの人の声は苦手。
大きなオペラハウスで聴いたら丁度いいのかもしれませんが、映像で聴く分には大味で繊細さに欠けている印象でした。
表情にもあまりパターンがなくて、いつも同じ顔に見えてしまい残念。

ガブリエレを歌ったのはジョルダーニ。
ファンの方にはお叱りを受けると思いますが、私はなぜ彼がライブビューイングの常連になっているのかよくわかりません。
パッと思い出しただけでも、今までに4~5本は出ているのではないでしょうか。
もしかして毎シーズン出ている?

別に彼に恨みがあるわけではないのですが、私にとっては可もなく不可もなく・・の印象の人で、特にスターのオーラを感じることもないので、ずっと不思議に思っているのであります。

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言いたい放題言ってしまいましたが、そんなジョルダーニのガブリエレ。
う~む・・・またしても可もなく不可もなくの印象でした
声そのものはそんなに癖がある人でもないですし、私も嫌いではないのですが、「だから・・・?」という感じなのです。
少し音程が不安定になるところも気になりました。

フィエスコを歌ったのはベテランのモリス。
・・・と書きましたが、実は私はこの人とはほとんど縁がなく、ちゃんと全幕で聴いたのは今回が初めてかもしれません。
彼はワーグナー作品によく出演しているようですが、私はワーグナーは全くダメですし
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しかし今回のTV放送で、私はモリスをこの「シモン・ボッカネグラ」と次の「ハムレット」で2度も聴かせていただくことになったのでありました。

結果・・・彼の声は苦手かも
たまたま横で一緒に見ていたうちの母も、「この人変わった声だね」と言っていました。
ただ2009年のガラで「ドン・カルロ」のフィリッポを聴いたときは、声そのものに対しての好き・嫌いは感じなかったので、生で聴くのとTVを通して聴くのは違うのかもしれません。

私がモリスの声を苦手・・と思ったのは、バスとは思えない明るさに違和感を覚えたからかもしれません。
テノールも暗めの声が好きな私なので、私の好みは特殊だと思ってくださったほうがいいと思いますが、ドミ様がテノールにしては暗めの響きなので、シモンとフィエスコの二重唱がなんとなくしっくりこなくて残念でした。

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パオロのガートナーも存在感が今一つ。
パオロってすごく重要な役ですよぉ。シモンを裏切って毒を盛る悪いヤツですもの。
悪役はキラリと光る存在感をもっていてほしい。

舞台セットも衣装も豪華で美しく、このプロダクションは結構好きでした。
それだけに、ドミ様一人が輝いて、ほかのキャストとのケミストリーが今一つだったのが惜しまれる公演でした。

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この記事へのコメント

花宴
2011年04月05日 03:07
ドミ様、バリトンロールへの挑戦は続きますね! 私はシモンより前年のアドリアーナ.ルクローブレが凄い♪と思ったんです。 健在な王子声(笑)! ドミ様、最近は深みのある役所を選んでいる感じでしょうか? 

レヴァイン指揮でモリスさんも登場、ジョルダーニ氏と、METの大御所メンバー(笑)♪ 
2011年04月05日 23:40
ドミ様、ジェルモン・パパも歌う予定でしたっけ?
うん、ジェルモンはいいかもしれない。
ドミ様のジェルモンは説得力ありそう~。

シモンはこの時も、そして今年もレヴァインの指揮だったのですね。
体調が悪いようですが、もう少しMETを支えていってほしいと思います。