【TV】メトロポリタン・オペラ ビゼー:「カルメン」

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<出 演>
カルメン..........エリーナ・ガランチャ
ドン・ホセ..........ロベルト・アラーニャ
ミカエラ..........バルバラ・フリットリ
エスカミーリョ..........テディ・タフ・ローズ
Frasquita...............Elizabeth Caballero
Mercédès................Sandra Piques Eddy
Remendado...............Keith Jameson
Dancaïre................Earle Patriarco
Zuniga..................Keith Miller
Moralès.................Trevor Scheunemann
Dancer..................Maria Kowroski
Dancer..................Martin Harvey

<指 揮>ヤニック・ネゼ・セガン

<合 唱>メトロポリタン歌劇場合唱団

<管弦楽>メトロポリタン歌劇場管弦楽団

<演 出> リチャード・エア

<振 付>クリストファー・ウィールドン

[収録: 2010年1月16日 メトロポリタン歌劇場 ]('11/2/21 NHK BSハイビジョンで放送)


オペラをご存じない方でも、「カルメン」に出てくる数々のメロディーはどこかで聴いたことがあるでしょう。
それほどに有名なオペラですから、私も嫌いではないのですが、なかなかしっくりくるキャストに巡り合えません。
カルメンが”おばちゃん”だったり、ホセが気持ち悪いストーカーにしか見えなかったり。

バルツァとカレーラスが共演したMETの映像は、おそらくこのオペラのスタンダードとされていると思いますが、私にとってもこれはベストでした。

ただ、バルツァのカルメン。
もちろん素晴らしいですし、彼女の熱演には心を揺り動かされますし、バルツァ自身も大好きなのですが、【カルメン】なのかな~と思うと、ちょっと違うような気もしていました。
どこがどう違うとか上手く説明できないのですが、カルメンってもっとクールビューティーなところもある人なんじゃないかな~と思ったり。

対してカレーラスのドン・ホセはハマりまくりで、一途で真面目だっただけに、ストーカー状態になってしまった・・という説得力抜群の演技。
でも、あんまり好きなテノールにはやってほしくない役かなぁ・・・

で、今回のガランチャ。
「チェネレントラ」では童話から抜け出てきたような、可憐で色白でブロンドの髪を持つ美女ぶりを発揮していたので、彼女がカルメン?といまいちイメージできなかったのですが・・・・いや~、いいです!!
彼女のカルメンを見て、初めて【カルメン】という役がしっくりくる人に出会えた!という喜びを感じました。

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ブロンドの髪は黒く染められ(ウィッグかも?)、肌もなんとなく浅黒く塗っているように見え、ラトヴィアの美女はすっかりスペインの魔性の女に大変身。
いつも凛としていて、熱い内面を持ちながらも外見はどこかクールに見える。
下品すれすれのことをしているけど、決して下品にならない気高さを保っている。
そして、目力がある。下からぐいっと見上げる目の力がすごい。

とにかく、女性の私から見てもカッコいい~~~!!
ハートマークを飛ばしながら見入ってしまいました(笑)

ダンスシーンでしっかり踊っていたのも嬉しかった!
そうそう、2幕の幕開けで踊られるジプシーの踊り。ここでカルメンも踊ってくれると盛り上がるんですよ~。
彼女、絶対ダンスの素養がありますよね。
もう一つそれを感じたのが、彼女の足先の美しさ。

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ガランチャ=カルメンは、やたら脚線美を見せつけてホセを魅了するのですが、その時の彼女の足先が美しいのであります。
以前、違うオペラですが、女性歌手がスカートをめくって脚を見せたものの、あまりの大根足で興ざめしたことがあるのですが、太いだけじゃなく、足先に全く神経が行き届いてませんでした。

バレエをやってる(見てる)皆さんは、きっと私と同じように、ガランチャの足先にも注目したはず!

そして、また声がいいですね~。(”鑑定団”の中島先生口調で)
上から下までむらがなく、どこか透明感がある。
この透明感が、彼女をクールビューティーに見せている要因の一つかもしれません。

ひとことで言うと「カッコいい!」、女性が惚れるタイプかも。
横で見ていた母も、「この人きれいやね~。上手いね~。」を連発しておりました。

アラーニャのホセは、当たり役だけあってハマってました。
このブログでも何度も書いてると思いますが、情けない役が本当に上手いのです。

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ドン・ホセは一途な人だから、カルメンにちょっと色目を使われただけで「運命の人だ!」と思ってしまったのかもしれませんが、カルメンにしてみたら超ウザイ。
3幕でカルメンに付きまとうところなんか特にウザイ。
4幕はマジでストーカーになってるから怖いけど。

で、こういう役って、もっさりした人が演じると、本当にアブナイ奴になってしまって見てるほうもドン引きなのですが、アラーニャはあの憎めないカワイさのお蔭で、「ホセも可哀そうにね・・・」と同情できたりして、得なキャラになっていると思います。

期待していた「花の歌」は、ちょっと物足りなかった・・・。残念。

ミカエラはフリットリ!なんでしょ、この豪華なキャスティングは!
以前も書いたかもしれませんが、私は「カルメン」においてミカエラは要らない・・と常々思っており、フリットリが歌うなんて、なんてもったいない!と初めは思っていました。

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しかし、さすがにフリットリが歌うと説得力がありますね~。
今回初めて「ミカエラはホセのお母さんと一心同体だったんだ~」と、ミカエラの重要性を思い知ることとなりました。
今まで見ていたミカエラには、そういうことを感じさせてくれる人がいなかったんです・・・。

登場した時は「田舎娘」って感じでしたが、兵隊さんたちがちょっかいを出したくなる気持ちがわかる、かわいらしさがあって、今回初めて「ホセったらこんな素敵な彼女がいるのに、カルメンに骨抜きにされるなんて!」という気持ちがわいてきました。
いつもは、「ミカエラってウザイ・・・」って思ってしまうのに

一番印象的だったのは3幕。
ホセを故郷に帰らせようと必死に説得するミカエラ。もうこのシーンは完璧【母】でしたね。
ホセのお母さんがミカエラの身体を借りて、彼女に言わせてるとしか思えないぐらい母の愛にあふれていました。

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エスカミーリョは、予定されていたクヴィエチェンに代わってローズというバリトン。
ちょっと調べてみるとニュージーランド出身で、1966年生まれ。
そんなに若い人ではないのね?
で、驚いたのは2008年にメゾのイザベル・レナードと結婚しているということ!!

私は初めて名前も顔も知ったのですが、エスカミーリョのアンダーだったのでしょうか。
朝10時に出演依頼の電話があって、お昼1時からの公演に出たっていうんですから驚きです。
しかし、チャンスを待ってる人たちはいつでも歌える準備をしているんでしょうね。

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代役にしては、なかなかいいエスカミーリョだったと思います。私は好きな声でした。
これといって強い個性があるようには感じませんでしたが、有名な「闘牛士の歌」は聴かせてくれました。
少なくとも、私のご贔屓レリエ君よりは・・・・
誰が歌ってもこれぐらいは歌えると思うんだけどなー。
なぜ、レリエは悪魔声のまま歌ってしまったんだろう。違和感ありありだった・・・・。←まだレリエのエスカミーリョの出来に納得していない。

身長も高いようですし、これからいろんなオペラで見かけるバリトンさんになるかも?

フラスキータとメルセデスは美人さんでしたね~。

それと、キース・ミラーさんがスニガで出演していたのが嬉しかった♪
スキンヘッドで目立つから、今までに見てきたライブビューイングに、脇役としてあちこちに出ていたのが記憶に残っているのですが、最近ホロストフスキーとの2ショット写真を見つけ、さらに私の中で注目度がupしていたバリトンさんです。

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ミラーさん、今までに見てきた脇役(オネーギンのcaptainとかマクベスの殺し屋)よりは出番がたくさんあった~。
ちゃんと役名もあるもんね(笑)

新演出ということでしたが、特に奇をてらうものでもありませんでしたし、斬新な印象は受けませんでした。
バルツァ&カレーラスがスタンダードになっている私としては、カルメンとホセがやたら絡むな~とは思いましたが。
ま、あの美しいガランチャ=カルメンでしたら、アラーニャじゃなくてもベタベタしたくなるでしょうけど。

前奏曲と間奏曲にバレエを挿入しているのは、バレエ好きの私としては面白かったです。
振り付けはウィールドン。
1991年のローザンヌ国際バレエコンクールのゴールドメダリストでしたよね。

コンクールでも自身の振り付けによる作品を披露していましたが、ラ・シルフィードの美しいジェームスのヴァリアシオンがとても印象に残っています。
今はすっかりコリオグラファーとなって活躍しているようです。

ウィールドンはガランチャにもダンスシーンを要求したわけですが、彼女はそれに見事に応えていました。
しかし、今後このプロダクションでカルメンを歌う歌手は、みんな踊ることになるのでしょうか?

カルメンとホセのバレエシーンを踊ったのはマリア・コウロスキーとマーティン・ハーヴェイ。
どちらも名前ぐらいしか知らないのですが、コウロスキーはカルメンにしては愛らしい感じでした。

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1幕でタバコ工場の女たちが休憩に出てきますが、カルメンだけ衣装が違っているのでいやでも目立つ。
特別待遇なのか?とツッコミを入れたくなりました(笑)

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4幕の二重唱の演技は激しかった~。
あんなに床をはいずりまわって、ガランチャの胸がこぼれないか心配でした
しかもあんな体当たり演技!2人とも傷だらけなのでは!?

最後は回り舞台をうまく使って、処刑が待っているホセとエスカミーリョに殺された牛を対比させていました。
ありがちな演出ですが、牛が大きかったので効果がありました。

今までスタンダードだったバルツァ&カレーラス版に加えて、このガランチャ&アラーニャ版の「カルメン」も、私のお気に入りに決定です♪



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この記事へのコメント

花宴
2011年04月05日 02:53
ガランチャ、あのラインの精密さ、美しさは凄い!! これは豪華なキャスティングでHDピッタリですね~♪ エスカミーリョがジョン君でなかったのが惜しいけど.......派手感は第一王子を見習うと良いのかも(笑)。 あの衣装、ホンモノの闘牛用とかで重くて堅いそうです。 

このミラーさんとの強面ツーショットのお写真.......コワ過ぎ(汗)。
2011年04月05日 23:36
ひっそりとupしたレポ、早速見つけてくださりありがとうございます!
ガランチャは私の大好きなクールビューティーの要素を持っていて、声も本当に素敵☆
メゾってなかなかスターが出にくいと思いますが、彼女は間違いなくスターですね。

John君のエスカミーリョはHDに残らなくて正解だったかも
彼は二枚目よりも悪魔のほうが似合うということが、よーくわかりました(笑)

ミラーさんとDima。
Dima一生懸命怖い顔してますが、そこはミラーさんのほうが上手か!?
nikia
2014年06月12日 08:48
やっと再放送してくれました!
もう、『待ってました』と言う感じで、ガランチャのカルメンに釘付けです。
カッコいい・・・
私のスタンダードはドミンゴ&ジュリア・ミゲネスだったのですが、順位が入れ替わりました。
これで銀髪のエスカミーリョだったら無敵&完璧だったかも。
2014年06月12日 23:37
◆nikiaさん
ガランチャ、素敵でしょう~
ミカエラはバルバラ様ですよぉ~!
アラーニャ=ホセったら、なんて贅沢!

ちなみに私のスタンダードは、カレーラス&バルツァでしたが、私もガランチャのカルメンのほうが好きになったかも♪

>銀髪のエスカミーリョ

あの人が出ると目立ちすぎるので、コンサートで歌うだけにしていただきましょ