【DVD】ベッリーニ:夢遊病の娘

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<出 演>
伯爵ロドルフォ:ジャコモ・プレスティーア
テレーザ:ニコレッタ・クリエル
アミーナ:エヴァ・メイ
エルヴィーノ:ホセ・ブロス
リーザ:ジェンマ・ベルタニョッリ
アレッシオ:エンリコ・トゥルコ
公証人:サヴェリオ・バンビ

<指 揮>
ダニエル・オーレン

<演 出>
フェデリコ・ティエッツィ

フィレンツェ5月音楽祭管弦楽団&合唱団

[収録:2004年1月31日 フィレンツェ歌劇場(テアトロ・コムナーレ)]


近々、この作品を観に行く予定の私。しかし、「夢遊病の娘」は全く未知の世界。
知り合いの方に対訳をコピーしてもらったものの、やっぱり一度映像で見てみないと~ということで、DVDを買ってみました。
5000円ちょっとしていたこのDVDが、3000円台まで値下がりしていてラッキー♪

しかし、正直に言うと、ちょっと退屈してしまいました・・・。
メイは透明感のある美しい声で、コロラトゥーラのテクニックもあるし、非常に丁寧に歌っていましたし、ちょっと髪型は変だったけど可愛らしかったし、何がいけないってことはないので、これは完全に好みの問題だと思われます。

全体的に、音楽は大変丁寧に作られていたのですが、それが私にとっては逆に、辛気臭く感じられました。
初めて見るオペラなのでよくわかりませんが、テンポも全体的に緩めな感じ。
アミーナの最後の長大なアリアも、聴き慣れたそれとは違う、緩やかで丁寧な感じ。
彼女の声の美しさを堪能するには、これぐらいのテンポが適当なのかもしれませんが、私はもう少しチャッチャカしてるほうが好きです。

DVD付属のブックレットを読むと、ティエッツィの演出について、
“アミーナ以外の人々が、合唱も含めて、彼女の意識が作り出した「夢の中の存在」であるかの如く、現実から一歩引いたような存在感を漂わせる点が興味深い”
と評していました。
それを読むと、「なるほど」と思うのですが、確かに動きが少なく、感情もいまいち伝わりにくいのです。
しばらくMETのライブビューイングばかり見てるから、こういう動きの少ない演技が物足りなく感じるようになってるのかしら?

私の友達は、「演技なんかしなくたって、棒立ちのままでも、デル=モナコのような声を聴かせてくれれば、それでいい」と言っていたことがあるのですが、そういう好みの方は、このDVDのような演出のほうが、むしろ好みかもしれません。
個々の歌手は安定した歌唱を聴かせてくれますし、合唱もよくそろっていてきれいで、声の美しさを堪能したい方にはお薦めです。

しかし私には、合唱も含めて、個々の役割は皆果たしているものの、それぞれのコンタクトが感じられませんでした。
例えば、誰かと誰かが二重唱になる時。それが言い争いの場面でも、愛を語り合う場面でも、2人の間に距離があったり、視線が絡まず、それぞれが客席を向いたままだったり。
合唱も、もっと一人一人がストーリーに入り込み、演じてもいいと思うんです。
“合唱でございます”という感じに見えちゃうんですよね。
・・・って、それが演出家の意図かもしれないのですが。
音楽だけ聴く分にはそれでもいいのですが、映像で見るとなると、共演者同士のケミストリーをもっと感じたいというのが、私の率直な感想です。

対訳を見ていると、このDVDでは、2幕2場のリーザとアレッシオの言い争いの場面や、同場でリーザが伯爵ロドルフォの部屋に忍び込んでいた証拠を、テレーザによって突きつけられた後の重唱がカットされているようですが、このあたりのカットはよく行われるのでしょうか?

メイのアミーナについては、先ほど書いたとおり。
静かな演技が、一途な乙女心を表していて良かったと思いますが、演技的にはやや物足りなくもありました。
これも、演出によるものかもしれませんが。

エルヴィーノを歌ったブロス。
安定していて、彼のアクートにスリリングを感じることはありませんでした。
ただ、こんなことを言ってはなんですが、彼は何の特徴もない容姿で、一見、「アミーナのお父さんか?(いないけど)」といった風貌なのに、歌いだすとこれがまた思いっきりのベルカント声テノール!
あ~~、私が苦手な声のテノールだぁ・・・・。
私がベルカント・オペラが苦手な理由は、ここにもあるような気がします
もちろん、彼の名誉のために言っておきますが、彼は悪くないのです。
「私が」生理的に受け付けない声である・・というだけです。

逆に、ロドルフォが出てくるとホッとしました(笑)
私はやっぱり、根っからの低音好きみたいです。困ったもんだ・・・・。
ロドルフォのプレスティーアは、伯爵らしい気品もありましたし、なかなか素敵でございました。

エルヴィーノを奪われたリーザを歌ったベルタニョッリは、ちょっと声が硬いように思いました。
メイに比べると、動きがややドタドタした感じで、アミーナの恋敵としては、ちょっと役不足かも。
もっと彼女が印象的な演技をしてくれると、このオペラがグッと面白くなるような気がするのですが。

というわけで、あまりいい印象を持てなかった「夢遊病の娘」ですが、実演を観に行って気に入るか、はたまた、やっぱり退屈だと感じるか。
ちょっと楽しみになってきました♪


ベルリーニ:歌劇《夢遊病の娘》全曲 [DVD]
クリエイティヴ・コア
2008-09-24
メイ(エヴァ)

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この記事へのコメント

せり
2009年01月04日 09:33
正直私もはじめの部分居眠りばかりして、何度も最初から見直ししました。
聞き込んだら違ってくるのか、はたまた違うプロダクションで見たら印象も違ってくるのか興味あるところですね。
予定されている実演はあの連隊の娘と同じ組み合わせですね!
うーん、今望みうる最強のペアじゃないですか!
それをご覧になったあとの感想を楽しみにしていますね。
2009年01月04日 22:37
>正直私もはじめの部分居眠りばかりして、

あはは~、せりさんも私と同じだったんですね(笑)
予習したものによって印象が悪い場合、実演のほうがいいかもしれない!という期待感を抱かせるので、かえって良かったかもしれません。
逆のパターンだと最悪ですしね
また、あのコンビで悪かろうはずがない!?