Impression

アクセスカウンタ

zoom RSS 【METライブビューイング】R・シュトラウス:「ばらの騎士」

<<   作成日時 : 2017/06/16 10:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

画像



2017年6月16日(金)午前10時開演
MOVIX京都
【MET上演日:2017年5月13日】

<出 演>
オクタヴィアン...................エリーナ・ガランチャ
元帥夫人.....ルネ・フレミング
オックス男爵...................ギュンター・グロイスベック
ゾフィー.......................エリン・モーリー
ファーニナル......................マーカス・ブリュック
イタリア人歌手...............マシュー・ポレンザーニ
Annina.......................Helene Schneiderman
Valzacchi....................Alan Oke
Marianne.....................Susan Neves
Mahomet......................Billy Conahan
Princess' Major-domo.........Scott Scully
Lackey.......................Marco Jordão
Lackey.......................Ross Benoliel
Lackey.......................Daniel Clark Smith
Lackey.......................Edward Hanlon
Orphan.......................Maria D'Amato
Orphan.......................Christina Thomson Anderson
Orphan.......................Rosalie Sullivan
Milliner.....................Anne Nonnemacher
Animal Vendor................Dustin Lucas
Hairdresser..................Tom Watson
Notary.......................James Courtney
Leopold......................Patrick Stoffer
Faninal's Major-domo.........Mark Schowalter
Innkeeper....................Tony Stevenson
Waiter.......................Brian Frutiger
Waiter.......................Bradley Garvin
Waiter.......................Brian Kontes
Waiter.......................Christopher Job
Police Commissioner..........Scott Conner
Widow........................Sidney Fortner
Doctor.......................Frank Colardo


<指 揮>
セバスティアン・ヴァイグレ

<演 出>
ロバート・カーセン


前回このライブビューイングで「ばらの騎士」を見た時はどんな感想だったっけ?と、古いブログ記事を引っ張りだしてみたところ、これはもう7年前のことでした・・・・。(⇒こちら

この時も元帥夫人(ヴェルデンブルク侯爵夫人、マリー・テレーズ)はルネ様ことフレミング。
ブログを読み返すと、「ルネ様がこの役を歌うのは最後との噂」と、この時も書いてます。

しかし、今回は本当。

ルネ様はこのMETの舞台で元帥夫人を卒業、さらにガラ様ことガランチャも、この舞台でオクタヴィアンを卒業。

2人とも大変な当たり役だけに、とても残念です。
(※ルネ様はオペラからも引退されるようです。彼女のスケジュールは現在、コンサートとリサイタルのみになっています。)

さて、今回の「ばらの騎士」は新演出。

せっかく新演出になったのに当たり役の2人が卒業してしまって、この先この作品を維持できるのか?と、また寂しい気持ちになりますが、「ばら」初心者の私はなかなか楽しめました。

しかし、「ばら」に特別な想いを抱いている方は、この演出に批判的になるような気もします。

舞台は第1次世界大戦前夜のハプスブルク帝国だそうで、2幕には大砲が出てくるし、小姓がハンカチを拾いに戻ってくる最後の場面は、軍人が舞台奥に大勢並び、戦争が始まることを予感させるものとなっていました。

中でも1番問題になるのは3幕でしょう。
元々「居酒屋の一室」となっている舞台は、なんと娼館に設定。
オクタヴィアンのガランチャも娼婦風の扮装、演技をさせられていて、あのガラ様になんてことを!と思った方も多かったはず。

しかしガラ様・・・結構、楽しそうじゃありませんでした?

確かに「ばら」を見てる気分ではありませんでしたが、彼女だから下品にならなくて済んだように思います。
これが今後違うメゾが演じて、彼女のように品位を保つことができるのかは疑問です。

先にご覧になった方から、「ハンカチじゃ足りない。タオルを持っていかないと!メイク道具も必要。」と言われていましたが、確かに涙、涙の「ばら」でした

号泣したのは2回。

まず、1幕最後の二重唱。元帥夫人が時の流れ、老いを憂い、いつか来るオクタヴィアンとの別れを恐れ、彼に冷たくあたってしまうシーン。

そして、当然3幕の三重唱。



ここで涙を抑えるのはもはや不可能。
声を出して泣きそうになるのを我慢するのが大変で、ハンカチは口元に当ててました・・・

そのほか、ちょくちょく涙ポイントがあり、涙ぐむことは数回。
1人で泣くのって、ちょっと恥ずかしいので辛かったわー。

4時間半もの長丁場。
行きの電車の中ではめちゃくちゃ眠くって、「やばい・・・今日は寝てしまう・・・。」と心配したのですが、全く眠くならなかったです!

しかし、ハードなオペラですね〜

同じ言葉の繰り返しはほとんどなく、普通に舞台俳優がセリフを喋るかのような言葉が並び、そこについている音楽がまた難しい。
これが更に重唱になるんだから、下手な歌手で聴いたら拷問のような時間だろうな・・・

では、それぞれの役について。

まず、主役といえるのでしょう、オクタヴィアンを歌ったガラ様。

まぁ〜、とにかくハンサムです!
タカラヅカからお呼びがかかる・・・いや、ヅカを超える男前ぶり!

画像


素顔は大変な美女ですが、大股開きでタバコを吸う姿のカッコいいこと!
軍服姿は気品がありますし、背も高くて本当に絵になります。

そして、やっぱりガラ様の声は温かみがあるのに透明感があって、重唱でもよく通り、魅了されます。

これだけ出ずっぱり、動きっぱなし、さらには男を演じる、男が女装した演技など、演技面でもややこしいことを要求されてるのに、声にも動きにも全く疲れが見えないのは驚異的でした。

続いて、元帥夫人のルネ様。

今回の「主役」でもあるので、カテコでは最後に出てくるかと思いましたが、やはりこのオペラはオクタヴィアンが主役なんですね。
METのお客さんが、本当に感動した時にだけやるという紙吹雪も出ました。

1幕はやや声に衰えを感じたのですが、3幕では一気に輝きを増していて驚きました。

先ほど、数回涙ポイントがあったと言いましたが、3幕はもう元帥夫人が登場したところから涙・・・でした。
彼女の悲しそうな表情が映ったり、歌い出すだけで涙が出てきます。
この人は本当に稀有なオペラ歌手です。

私は彼女のファンではなく、むしろ声は苦手なほう。
演技も、役柄によっては納得できないものもあり、進んで舞台を観たいソプラノではありませんでした。

でも、映像や生の舞台で何度も感動させられています。
その一番の魅力は、「歌う女優」であること。

画像


といっても、デセイのように全身を使って強く・大きく表現するタイプとは異なり、抑えた静の演技力を持つ人だと思っています。

歩いてくる姿、目の表情、ちょっとした顔の角度、そういったわずかな動きだけで、全身からその役のオーラが感じられるのが本当に素晴らしい。

1幕で「今日はお婆さんみたいな髪型にしたのね。」という、これだけのシーンでも女性の複雑な心理が強く伝わり、胸が締め付けられました。

声は美声とは言えないし、これといった技巧を持つ人でもありませんが、声に確実に魂が込められている。
オペラ歌手という枠にははめられない、珍しいタイプの人だと思います。
もうオペラの舞台には出ないようですが、とても残念、そして惜しいことです。

ゾフィーを歌ったモーリー、私は初めて聴きました。

今回のゾフィー、芯の強い女性に描かれていたようです。
フレミング、ガランチャが圧倒的だったので影が薄くなりがちですが、モーリーは魅力的に演じていました。

画像


オックス男爵、これほど印象に残ったのは初めてかも!

グロイスベックも私は初めてだったのですが、嫌なヤツでありながら、どこかでちょっと同情したくなるような印象的な男爵でした。

画像


しかし、ハードなことさせられてますよね・・・
男爵も全幕通して出ずっぱりだし、怒ってること多いし、セクハラしまくりで動きも多い。
あの大きなグロイスベックさんでも、少々疲れが見えましたもん。
お疲れ様です

そうそう、ポレさん(ポレンザーニ)が1幕の「イタリア人歌手」にカメオ出演!
カルーソーを意識した扮装はウケました!(写真はご本人のTwitterより)

画像


この後、ポレさんは着替えてホスト役に・・・!
さらに終演時には、再びカルーソーに変身してカテコに登場。
ゲルプさん・・・どんだけこき使うねん!(笑)

今シーズン、これが最初で最後のライブビューイングとなりました。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ルネ様、稀有な歌手ですね。 声楽家的資質には限界があるんですが、彼女くらい”忘れ難い名演”を残せる歌手もいないんですよね。 私もあれこれオペラを観て来ましたが(Dさんに偏ってるけど・・・)、ルネ様の過去の舞台というのは不思議といつまでも心に残る瞬間があります。 最後のマルシャランにガランチャ様始め、良いキャストを揃えてくれたのはゲルブ支配人に珍しく感謝。 気高いマルシャランに相応しい、凛々しく美しいオクタヴィアンでこの先、これ以上のバラ騎士を観る事はないだろうと思います。 ガラ様素敵でしたね〜♩ 超絶歌唱に加えて文句無しのトローザー振り❤️  グロイスベックの男爵もギリギリのところで品を落とさず、あの忙しい演出を巧みにこなしてたと思います。 演出はまあ読み替え設定は良かったかなあ、ちょっと人を動かし過ぎるのと、3幕はもう少し整理しても良いかな、という印象でした。 ルネ様とガラ様のスターパワーで、バタバタしたシーンを浄化して収めた感じでしたが、他の歌手になるとどうなるのか・・・? これはDVD出たら買いたいです!    
花宴
2017/06/18 03:10
◆花宴さん
ルネ様はオペラ歌手っぽくない声だし、技巧で聴かせるタイプでもないけれど、それをカバーして余りある能力と技術を持ってますよね。

男爵、すごく良かったです!
グロイスベックはまだ40歳だとか。
いろんなことを要求される大変な演出を、見事にこなしていましたね。
今まで好色爺って感じの人しか見たことなかったんですが、若い男爵という解釈は面白かったです。

なるほど、人を動かしすぎ・・・それはあるかもしれませんね。
さすがにルネ様のマルシャリンは落ち着いてましたが。

私は日本語字幕がないとついていけないので、WOWOWの放送待ち
かな
娑羅
2017/06/18 23:32

コメントする help

ニックネーム
本 文
【METライブビューイング】R・シュトラウス:「ばらの騎士」 Impression/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる