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zoom RSS ウィーン国立歌劇場 ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」(Part2)

<<   作成日時 : 2016/06/04 19:00   >>

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※6/25:動画を追加しました。


2016年6月4日(土)午後7時開演
会場:Wiener Staatsoper

<出 演>

Simon Boccanegra : Dmitri Hvorostovsky
Fiesco : Feruccio Furlanetto
Paolo : Adam Plachetka
Pietro : Sorin Coliban
Gabriele Adorno : Francesco Meli
Amelia : Barbara Frittoli
Hauptmann : Carlos Osuna
Dienerin : Lydia Rathkolb

Dirigent : Marco Armiliato

Regie : Peter Stein

Bühnenbild : Stefan Mayer

Kostüme : Moidele Bickel

Chorleitung : Thomas Lang


Part1から続きます。


休憩後は、2幕から3幕へと一気に進みます。

2幕ではガブリエーレの出番が目立つので、演じたメーリについても触れておこうと思います。

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彼は4年前に観た時にも出ていましたので、彼の声が素晴らしいのは既に織り込み済み。

ただ・・・・。

もちろんいい声だし、ボリュームもあって劇場中に良く響いてはいるのですが・・・色に乏しいように感じました。
悪く言うと一本調子で、一昔前の歌手みたい・・・・。
(いや、古い歌手が悪いわけではないですよ!)
アンサンブルでも、一人で歌っているように聴こえちゃうんですよね・・・・。

1幕でのバルバラ様(フリットリ)との二重唱でも、彼女の調子が悪いのに「そんなの関係ねえ!」とばかりに、ご自慢の美声をフルで聴かせてましたけど、もう少しバランスを考えて歌っても良かったのではないかな〜・・・と思ったのは、私のバルバラ贔屓のせいでしょうか。

そのバルバラ様ですが、休憩後からは安定してきたように思いました。
演技のほうも、前半より入り込んでいるように見えました。
やはり声の調子が悪ければ、演技にも集中できないですしね。

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しかし、たとえ声の調子が悪くても、やはり彼女のアメリアを聴けたのは幸せでした。
前のレポで「聖母のよう」と言いましたが、彼女の表現には温かみがいつも感じられるのです。

この「シモン・ボッカネグラ」は主要女性キャストがアメリアのみですから、アメリアによって優しさ、美しさ、温かさなど、女性特有の表現が伝わるかどうかは重要なポイントではないでしょうか。

シモンの謎の数珠ですが、2幕からあんまり目立たなくなったのは、衣装が白からネイビーや黒と変わったせいでしょうか・・・・。
照明のせいもあると思いますが、黒っぽい数珠が白い衣装の時はよく目立ったのよね

私はこの2幕で、シモン、アメリア、ガブリエーレの三重唱が好きです。
アメリアとシモンが父娘だと知り、ガブリエーレが2人に許しを請うところ。

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最後に4小節ほどオケが無音となり、3人の声だけになるところが特に好きです
こういうところのDima(ホロストフスキー)の声は格別で、バルバラ様との声の絡みにもうっとりでした。

ただ、やっぱりここでもメーリはアンサンブルから抜け出ちゃって、一人で歌ってしまっている感があり残念。
う〜ん・・・テノールだし、どうしても目立っちゃうのは仕方ないんだろうけど・・・。

2幕の最後、パオロが仕込んだ毒がまわってきたのか、シモンがガクッ!と膝をつくところにはドキッとしました!
4年前、こんな演技やってたっけ?
アメリアがその姿を見て駆け寄ってくる幕引きも良かった!

ところで私、肝心のフル様(フルラネット)について書いてませんね
まぁ、フル様が素晴らしいのは当たり前ですから、今さら私なんぞがあれこれ述べるのもおこがましいのですが・・・やっぱり存在感が強すぎー!(笑)

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プロローグで登場するや否や、まずオーラがびんびんで目を引きますし、初っ端からすごい声量。
最愛のDimaが同じ舞台にいても、ついフル様に目が行ってしまう瞬間もあったほど、強烈な存在感でした!

シモンとフィエスコの二重唱はプロローグと第3幕にありますが、やはりDimaとフル様のタッグは感動もの。

Dimaの声はバリトンにしては暗い響きで、さらに重めでもあるので、バスとデュエットしてもしっくりこない時があるんです。
でも、フル様はバスの中のバス!って感じでDimaより深い響きを持っているので、彼と歌えばDimaがちゃんとバリトンに聴こえてくるんですよね〜。

また、フル様はどちらかというと表現が情熱的。
一方、Dimaはそれほど爆発するタイプでもない。
この、ややタイプの違う表現力を持った2人がぶつかるからこそ、1+1が3になるような魅力が生まれる・・・そんなふうに感じるのです。

もちろん、超個人的な解釈ですが

さて、第3幕。
ここからは最後まで、ずっと胸がいっぱいでした・・・。

シモンが登場して"Il mare!... il mare!..."と歌うところ、やっぱりいいなぁ・・・。
真っ暗な何もない舞台、後方の幕がゆっくりと上がると海(だよね?)が見えてくる・・・ここでDimaがたった1人で歌う声が劇場中に響き渡り、とても幸せな気持ちになりました。

そして、フィエスコとの二重唱。
今思い出しても涙が出そうになるほど・・・感動的なパフォーマンスでした。
先ほども書きましたが、フル様の熱さとDimaの静かなパッション、この2つの溶け合い方が本当に絶妙。

ここはシモンだけ、フィエスコだけが良くても成立しないシーン。
2人ともが素晴らしく、そしてその2人の相性が良くなければ、ここまで感動することはできないと思います。

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私が一気に涙腺崩壊するフレーズがここ
フィエスコが"In te del ciel la voce;"と始め、かぶせるようにシモンが"Balsamo all'alma mia" 歌ってくると・・・・もう、涙です・・・・
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Dimaのレパートリーで、最後「死」で終わるものには「ドン・カルロ」、「ファウスト」、「戦争と平和」、「道化師」などがありましたが、この人の静かに死んでいく演技は大好きです。
「戦争と平和」のアンドレイも良かったですけど、このシモンの最期もすごくいい。
"T'appressa, o figlia... io spiro... Stringi... il morente... al cor! ..."の上手さは、なんと例えたらいいのでしょう・・・・!

最後のシーンのビデオが出てました!
おそらく私が観た6/4の公演だと思われます。



最後、天を仰ぎ見るように、そしてうっすらと笑みを浮かべた時は、天井からのライトがまるで天上からの光のように見えました。
ここのDima、まさに神!

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やっぱりバルバラ様は聖母さまですね・・・。
瀕死のシモン、亡くなったシモンへの接し方が本当に美しかった。

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アメリアはシモンにとって、生涯愛し続けたマリアの忘れ形見であり、娘以上の存在でしょうから、彼女がここで聖母のように見えるのは、ある意味説得力がありました。
やっぱりバルバラ様は素晴らしい・・・・!

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カーテンコールでは、やっぱりフル様とDimaへの拍手が大きかったですね。
特にDimaが出てくると、パルケットの前方席のお客様たちが一斉に立ち上がり、歓声もより一層大きくなったのは嬉しかった〜(←身内か!)

Dimaは笑顔も見せていたけれど、いつもに比べるとちょっと笑顔は少な目で控えめだったかも・・・・。
いつもはもっとカテコで隣の人と喋ってるんだけど、今回はやや孤独感漂ってました。

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プロンプターさんにやたら投げキッスしてたけど、歌詞ヤバかったのかしら?
そういえば、プロローグだったかなぁ?ちょっと歌詞の出が遅れたように思った箇所があったけど・・・。
映像見た時に確認してみようっと。

で、Dimaのシモンの総括。

Dimaを「イル・トロヴァトーレ」のルーナ伯爵で観た時は、「カッコいい!」という表現が真っ先に出てきましたが、この「シモン・ボッカネグラ」は、むしろオネーギンを観た時の感覚と似ているかもしれません。
彼が演じるシモンの声が、表情が、仕草が、それぞれゆっくりと心にじわじわと沁みてくる・・・・こんな感じなのです。

彼のヴェルディのレパートリーの中でも、このシモンはロールデビューの頃からDimaの声に1番合っていると思っていましたし、役柄としてもそろそろしっくりくるお年頃になってきたので、今後オネーギンに代わる彼の十八番になっていくかもしれません。

今回、映像が残って本当に嬉しい!
私も後ろ姿映ってるし、いい記念になりました

Dima、フル様、バルバラ様、メーリ、マルコ、この公演に携わったすべての皆さん、本当に素敵な「シモン・ボッカネグラ」」をありがとうございました!

Bravi!!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
キャスティングはやはりグランドオペラの醍醐味ですよね〜♩ ディーマのシモンとフル様のフィエスコのファイアー🔥、私もこのオペラで一番好きなシーンです♩ ディーマとフル様がお互い感応しあって同じ方向でヴェルディを作り上げているというか! バルバラ様は表現がディーマ&フル様と似てると思います。 彼女にはヴェルディは挑戦なんでしょうね・・・決して楽々ではないんですが、ミラノの歌姫としてヴェルディのハートを持っているというか。 そこんとこがメーリは一人で歌合戦に聞こえました・・・、美声だけに惜しいんですが(汗)。  
花宴
2016/06/15 12:01
◆花宴さん

>メーリ
4年前は1番拍手をもらってた記憶があるんですが、今回はフル様とDimaに負けてましたね
Dimaは確実にウィーンで人気者になってきてる感じ。
デビュー後、ずっと歌ってなかったのは何だったのか?

>キャスティング
そういえば、今回バルバラ様、フル様、メーリ、指揮のマルコまでみんなイタリア人!
そんな中で、肝心のタイトルロールをロシア人のDimaが演じたんですね!
なんか感慨深いわ〜

オペラって、やっぱり共演者も大事ですよね。
「Dimaのシモン」は、今や私にとって「Dimaのオネーギン」と同じぐらい(今後抜くかも?)大事なので、こうやって最高の布陣で鑑賞できて幸せです♪

思い切って1人でウィーンに行って良かった!

娑羅
2016/06/15 23:20

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