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zoom RSS ウィーン国立歌劇場 ヴェルディ:「シモン・ボッカネグラ」(Part1)

<<   作成日時 : 2016/06/04 19:00   >>

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2016年6月4日(土)午後7時開演
会場:Wiener Staatsoper

<出 演>

Simon Boccanegra : Dmitri Hvorostovsky
Fiesco : Feruccio Furlanetto
Paolo : Adam Plachetka
Pietro : Sorin Coliban
Gabriele Adorno : Francesco Meli
Amelia : Barbara Frittoli
Hauptmann : Carlos Osuna
Dienerin : Lydia Rathkolb

Dirigent : Marco Armiliato

Regie : Peter Stein

Bühnenbild : Stefan Mayer

Kostüme : Moidele Bickel

Chorleitung : Thomas Lang


実に2年半ぶりのホロストフスキー(以下、Dima)の生舞台!

母の体調が悪くなって長期で家を空けることが難しくなり、一時は「もう海外へ行くことは無理なんだ・・。」と諦めた時期もありましたが、母も少しずつ自分で出来ることが増え、今回は別居している兄も手伝いに来てくれることになり、久しぶりにわがままをさせてもらい、ウィーンまで行ってきました

本当に行って良かった!
今、私が考えられるベストキャスト+指揮だったと思います!

事前予習に使った映像は、カップッチッリ、ギャウロフ、フレーニ共演、アバド指揮のパリ・オペラ座版でしたが、こちらは品格と品格のぶつかり合いともいえる、大変格式高い名演。

今回観たウィーン版は情と情のぶつかり合いとでもいうか、パリ・オペ版よりもっと人間臭い、感情に訴えかける心に沁みる名演でした。

実は私、4年前にもここでDimaのシモンを観ているんですが(レポその1はこちら⇒)、その時のキャストと変わってるのはアメリアのみ。
ポプラフスカヤからフリットリになっています。

そして、指揮もマルコ(アルミリアート)に!
Dimaが脳腫瘍の治療から復帰した、あの感動的なMET「イル・トロヴァトーレ」を指揮していた彼です!

フィエスコのフル様(フルラネット)とガブリエーレのメーリは再共演。
なんといってもウィーン行きのもう一つの決め手は、フル様がフィエスコを歌うことだったので、予定通り歌ってくださって大感激!

ヴェルディの作品の中でも、この「シモン・ボッカネグラ」は地味な作品なのですが、役者がそろえばこれほど感動するオペラなのだ!と、改めて思い知らされた公演でした。

このペータ・シュタインの演出、照明は暗いし、舞台セットは簡素だし、動きは少ないし、色々注文をつけたくなる点もあるにはあるのですが、何もない分、余計なことに気を取られず、歌に専念できたのは良かったかもしれません。

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Dimaをはじめ、キャストは大袈裟な動きをしていないのですが、彼らの歌だけで、こんなにも心が洗われるような気持ちになるのですから、ある意味、この演出は歌手を選ぶものなのかもしれません。
実力のない歌手だったら、きっとすごく退屈したものになったことでしょう。

この日はライヴストリーミングでの同時中継がありましたが、私の席(パルケット)からカメラなどは見当たりませんでした。
ま、視界に邪魔なものがなくて良かったですが。

というわけで、細かい演技や表情などは映像のほうがよくわかると思いますし、映像を見ての感想は後日改めて、別にまとめるつもりですので、ここではライヴでの感想をまとめておきたいと思います。

4年前も私はこのへんの席でシモンを観たのですが、その時はDimaの奥様、奥様のお母さまらが隣に座るというハプニングが・・・・。

な〜んか、今回もそんな予感が・・・と思っていたら的中。
同じ列の、6つほど隣に座られてました。
このへん、ファミリー席なのかしら?

公演はほぼ時間通りに開幕。
指揮のマルコが登場すると、すごい拍手が・・・!
ウィーンでは常連のようで、彼のスケジュールをチェックしてみたら、ウィーンとMETでほとんどうまってる感じでした。

さて、このプロダクションの一番の難点は、最初のプロローグ。
4年前もそうでしたが、こんな前の席に座ってるのに、真っ暗すぎて表情なんかほとんどわかりません
上の席や後ろの席の人なら、もっと見えないよね・・・。

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おまけにプロローグは若作りで黒のウィッグつけてるし、もしかしたらDimaだと気づかない人もいたかも・・・
フィエスコのフル様(フルラネット)も、ここでは若作り。
2人して、なんかおかしかったわ(笑)

このシモンの登場シーン、わりと奥のほうだからか、初めはDimaの声があまり飛んできませんでした。
・・・って思ってるうちに、シモンは1度すぐ引っ込んじゃうんだけど

プロローグで2度目に登場するのは、フィエスコとのシーン。
やっぱり、このへんから「あ〜、Dimaの声だ〜!」って感じになります♪

フィエスコとのやりとりで、「マリアとの娘を渡せないなら、私たちの間に和解はない」と言われたシモンが、必死に食い下がる"M'odi, m'odi"が胸にきました。

思い返してみると、私は今までにDimaが出たオペラをいくつか観ていますが、ウィーンではオネーギンを1回、そしてこの「シモン・ボッカネグラ」を3回観ていることになります。

そのせいか、Dimaの声はMETよりウィーンのほうが合っているように感じます。
これはやはり、シモンのイメージが強いからなのでしょうか。

シモンを歌う彼は、とても自然体で、無理な力が入っていません。
特に昨年、大きな病気をして復帰してからは、それがより顕著になったような気がします。

METはオケピが深くて奏者の姿は見えないのですが、ウィーンは上半身まで見えます。
なので、平土間に座っている場合、オケの響きはウィーンのほうがよく聴こえます。

そのぶん、歌手の声にかぶることもありましたが、不思議とうるさくは感じませんでした。
やはり、そこはウィーン・フィルの音色だからでしょうか?
歌とよく溶け合い、心地よく聴くことができました。

1幕はプロローグから25年後という設定で、Dima=シモンはウィッグも外して地毛のシルバーヘアー。
老けメイクもしてるのかなぁ?
でも、舞台で見る限り若々しくて素敵。

ところで、手に持ってる数珠のようなものは何でしょう?
4年前に観た時は、なかったと思うんだけどなぁ・・・・?
(当時の舞台写真を確認したけど、数珠は持ってなかった。)

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この人にこういう小道具持たすと困るのよねー・・・・(-_-;)
出てくるなり、ず〜っと数珠を親指ですりすりしてるし・・・
あんなにずっとすりすりしながら、よく歌えるよなぁ・・・・。
そういえば、女性とのデュエットの時に女性の手の甲を親指ですりすりする癖あるよね・・・

ここではやはり、アメリアとの父娘の二重唱がハイライト!
・・・・なんだけど、実はここ、唯一もっと何かできるんじゃないか?と感じたところでした。

Dimaもバルバラ様(フリットリ)も、なんだか笑顔が少ない・・・・。
お互い表情がちょっと険しいし、目も合わさないから・・・・なんかよそよそしい
演出のせいなのか、2人がわりと離れて歌ってることが多いのが気になりました。
(これ、4年前も思ったから演出のせいかなぁ?)

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音楽的には文句ないんだけど、もっと父娘再会の感動と喜びがひしひしと伝わると期待してたので、ちょっと「あれ〜?」って感じでした。

ここではバルバラ様、声の調子がまだ悪かったし、演技に入り込めなかったのかなぁ〜?

そう、バルバラ様、珍しく調子悪かったんです・・・

1幕の幕開きのアリア、舞台のかなり奥で歌うせいもあって、初めは声がほとんど聞こえてこなかったし、高音がとにかく苦しそうで、高音になる度に力任せに声を張り上げてた。
こんな歌い方する人じゃなかったので、ちょっとショックでした。

バルバラ様は文句なく美しかったけど、前回のポップちゃん(ポプラフスカヤ)のほうが【娘】って感じはしたかな。

バルバラ様は聖母様のようで、Dimaと並ぶとちょっと恋人オーラ出る時もあってヤバかった
本来の恋人役であるガブリエーレを演じるメーリとの3ショットだと、メーリが弟に見えるし、ちょっとDimaとバルバラ様の間には入りこめないようにも見えちゃいました

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4年前観た時は、アメリアが実の娘だとわかったところで、後ろの衝立みたいなのがパーッと明るくなり、2人の白い衣装がハレーション起こしてマンガチックでおかしかったんだけど、今回はそれはなかった。
演出も色々変えてるのね?(数珠持たせたり:笑)

カップッチッリが、得意のロングブレスでおっそろしいほど伸ばしてたラストの"Figlia!"ですが、Dimaは意外にも、いつもここは割とあっさりめ。
彼ならカップッチッリに負けないほど伸ばせるだろうけど、そういう拘りはあんまりないみたい。

Dimaも好きだと言っていた評議会の場面。
ここは主要キャスト勢ぞろいに、群衆も加わって迫力満点。
オケもコーラスも、すごく美しくかった。

シモンは舞台奥の階段の上に座っているので、ちょっとボリュームは落ちるけど、よく声は通っていました。

またしても数珠を持参。
数珠なら手首にはめればいいのにー。なんで手に持ってるんだろう?邪魔じゃないのかなぁ?
相変わらず親指動いてるし。

ここでシモンが着てるガウンがくせ者で、4年前は後ろに下がる時の捌き方に苦労してました。

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階段を降りる時、足に絡まないようにガウンの裾を持ち上げるんだけど・・・そこまで持ち上げんでも・・・ってぐらい思いっきり持ち上げてました
1度、音楽のバン!に合わせて裾をストン!と落としたのには笑ってしまった
絶対、計算してわざとやってるよね・・・。

このへんからバルバラ様復調の兆し

シモンがパオロを追い詰めるところ、Dimaの表現が好きなんだよねー。
"Sia maledetto! E tu ripeti il giuro!"・・・目がキラッと光って怖い〜。
パオロでなくても怯えます

パオロのPlachetkaって人は初めて聴きました。
プロローグではイマイチな感じだったけど、この評議会のシーンは良かったし、舞台が進むにつれてノッていったかも。

パオロもピエトロも大きい人で(ピエトロの人は横にもデカかった!)、Dimaをはさんで3人で並んだら、あのDimaが小さく見えてビックリでした!

ここで休憩。
今回は休憩1回。緊張感が切れずいい感じ。

私の隣に座る、ドイツ語を話す年配のご婦人方が私の前を通る時に、いつもニコニコとした温かい笑顔で"Danke schön! "と声をかけてくださったことが嬉しかったです(^^♪

長くなってきたので、ひとまずアップします!


Part2へ続く・・・

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ライブ感バリバリのレビューありがとうございます!やっぱり生で観るのが一番ですよねー。羨ましいです。

その数珠状のものですが、たぶんロザリオではないかと思います。クリスチャンが題材の小説などに、よくロザリオの珠を数えるみたいなフレーズが出てくるので、祈りを表現しているのかも…でもスリスリされると気になりますよね;^_^A

プロローグの「2人で黒髪」には笑ってしまいました。照明が明るかったら場内から笑いが起きそうですよね!
レビューの続きも楽しみにしております!
Ger-mania
2016/06/11 07:52
◆Ger-maniaさん
なるほど、ロザリオですか〜。
ありがとうございます♪

でも、常に手に何か持って演技するのって大変そうな…。
Dima、以前も「椿姫」で眼鏡ふきながら歌ってたことありますが、もしかして何か動かしてるほうが落ち着くのかしら?^_^;
Dimaの発案だったりして⁉(笑)

後半のレポも頑張ります!(^-^)/
娑羅
2016/06/11 10:31
第一幕全景に音ズレ(ほんのわずかですが映像が遅れる)
修正後の裾ストーン、確かにドンピシャ^^;
再アップしました。
レドナレベルク
2016/06/11 22:32
◆レドナレベルクさん
きゃ〜、またまたそんなお手間なことを〜!
(・・と言いながら、いただきますね〜♪)

>裾ストーン

でしょ、でしょ!?(笑)
まだ映像のほうはちゃんと見てないんですが、ライヴとやっぱり印象変わるでしょうね。
楽しみにしてます(^^♪
娑羅
2016/06/12 00:39
ヴェルディの中ではさほど上演回数が多い演目ではないんですが、シモン、前奏が始まっただけでワクワクドキドキ、やはり一番を選ぶなら、コレだっ!という気がします(笑)。 過去にはオネーギンでしたが、今の彼には一番合ってる役な気がします。 やはりこれにはフル様は必須、10月より6月にいらして大正解!!!
花宴
2016/06/12 07:16
◆花宴さん
そうですね〜、今はオネーギンよりハマってきたかな。

力みが取れてきた分、この役に必要な威厳や慈愛の表現力が増したような気がします。
派手な演技をしないので、観る側が集中しないと退屈に思われるかもしれませんが、歌舞伎などの肚芸に共通するものを感じました。
娑羅
2016/06/12 09:31

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