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zoom RSS シルヴィ・ギエム ファイナル

<<   作成日時 : 2015/12/26 17:00   >>

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2015年12月26日(土)午後5時開演
会場:愛知県芸術劇場大ホール


あのシルヴィ・ギエムがとうとう引退。踊ることをやめてしまう。

私が初めてギエムの生の舞台を観たのは、1988年第5回世界バレエフェスティバル。
大阪のフェスティバルホールで観た、シリル・アタナソフとの「ノートルダム・ド・パリ」でした。

とにかく、衝撃を受けたのを覚えています。
当時、まだ長身の女性ダンサーが少なかった中、彼女のすらっと伸びた手足の美しさはひと際印象に残り、代名詞である高く上がる美しい脚、そして放つオーラに魅了されました。

その後、東京に住むようになった私は、全盛期の彼女の舞台を数多く観る機会に恵まれました。
白鳥、眠り、ドンキ、マノン、そしてベジャールの「シシィ」「ルナ」など・・・・。
もちろん、ボレロも何度も観ました。

ギエムが古典を踊らなくなって既に何年も経ちますが、いまだに彼女のオデット・オディールやオーロラ姫を超える舞台には出会っていません。
私にとって、それぐらいギエムは絶対的なダンサーでした。

近年力を入れていたコンテンポラリー作品はあまり観る機会がなく、ここ数年の私は、ボレロ以外でギエムの踊りを観ることも少なかったのですが、マッツ・エックの「カルメン」なんか無理してでも観に行けば良かったかなぁ〜と、ちょっと後悔


■イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド
振付: ウィリアム・フォーサイス
音楽: トム・ウィレムス(レスリー・スタックとの共同制作)

川島麻美子 渡辺理恵 秋元康臣
河合眞理 崔 美実 高橋慈生 伝田陽美 松野乃知 吉川留以


この作品は、パリ・オペラ座での初演時に主要パートをギエムが踊ったことでも知られ、当時かなり衝撃だったと聞いています。

私は95年に、オペラ座の来日公演でこの作品を観ていますが、当時のプログラムを引っ張り出してみると、ピエトラガラ、ゲラン、イレールなど錚々たるメンバーが出演していました。
その舞台と比べるのは酷なのでしょうが、正直、日本人には難しい作品だということを痛感しました。

この作品って、ある種のハッタリが必要というか、ドヤ顔(照明が暗くて顔はほとんど見えないけど)で踊らないと様にならないんですよね
日本人はおとなしいというか、奥ゆかしいというか・・・・。

色々努力・工夫しているのは見えますが、それではやっぱり努力賞止まり。
テクニック的にも精いっぱいというか余裕がなく、振りをこなすのがやっとな印象でした。

また、これは体型の問題でダンサーに責任はないのですが、やはり手足が短い・・・
オペラ座のダンサーで観た時の、ぐーーん!と伸びる脚がなかなか伝わってきませんでした。

そして、この作品の大きな特徴であるオフバランス。
う〜ん・・・それも「やってます!」って感じが見えてしまうんですよね・・・。
もっとスリリングなものを期待してしまうのですが、安全圏内で処理しているように見えてしまいました。

回数をこなせば身体も慣れてくるのかもしれませんが、なかなか日本人には難しいかもしれません。


■TWO
振付: ラッセル・マリファント
音楽: アンディ・カウントン

シルヴィ・ギエム


これは強烈でした。

広い舞台の上、ギエムはそのせっかくの広い空間を使うことなく、小さな四角い狭い空間の中だけで全身を使って表現します。
この動きが人間とは思えないものでした。
何と言葉で表現していいのかわかりません。

照明は暗く、ギエムだけに仄暗いスポットが当てられていますが、やがてそのスポットもだんだん暗くなり、ギエムの四方にオレンジ色の光が登場します。
彼女の手や足がその光に入り込むと、またそこで不思議な効果が表れます。

最後は動きが急速になり、その光がまるで炎となって彼女を包んでいるような錯覚に陥ったところで終わります。
終わった途端、会場からはため息がもれました。
私も思わず声が出てしまい、訳も分からず涙がこぼれていました。
衝撃でした。

彼女の身体能力と照明のコラボレーション!
これは、生で観ないと伝わらないと思います!


■ドリーム・タイム
振付・演出: イリ・キリアン
音楽: 武満徹 オーケストラのための「夢の時」(1981)

吉岡美佳 乾 友子 小川ふみ
木村和夫 梅澤紘貴


東京バレエ団は、こちらのほうが断然良かったです。
日本人の良さが引き出されているように感じました。
音楽も不思議な感じで、その不思議な世界にどんどん引き込まれていきました。

吉岡さんの存在感のある儚さが印象的。
ベテラン木村さん、やはりオーラが違います。
長いこと東京バレエ団を引っ張ってきたお2人の踊りを、また観ることができて嬉しかったです。


■ボレロ
振付: モーリス・ベジャール
音楽: モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム
森川茉央 杉山優一 永田雄大 岸本秀雄


ボレロがどうのこうのと言うより、これが最後のギエムの踊りなんだということが強く頭にあって、ずっと「ギエム様、今までありがとう!」という思いで観ていました。

ギエムのボレロは何度も観ているし、この日は席も遠いし角度も正面からではなかったので、いつもよりも強い印象が残ったとは正直言えないのですが、本当に感謝の気持ちでいっぱいになったボレロでした。

そして、やっぱり終わると泣いちゃってました。
意識してなくても心を動かされていたのでしょう。


ところで、今回のギエムのファイナルツアー。
東京と地方ではプログラムが違っていたのですが、ちょっと東京公演との差が大きくて愕然としました。

今回の地方公演プログラムは、「シルヴィ・ギエム ファイナル」と題し、休憩・カーテンコールも含めて上演時間が2時間弱。
ギエムは2演目を踊りました。

ところが、東京公演の「ライフ・イン・プログレス」は上演時間が3時間弱!
ギエムは3演目も踊っているんです。

イヤな言い方ですけど、チケット代もほとんど変わりません。
なんだかな〜って感じです。
地方公演でも、数か所「ライフ・イン・プログレス」があっても良かったのでは?

個人的には、ギエムの代表作がボレロとは思っていないので、ここはマッツ・エックの「Bye」が観たかったです。

また、今回Twitterなどでも書かれていたのですが、地方公演ではギエムを知らないお客さんが結構来ていたようです。
初めての人ももちろんいるでしょうし、知らなくても構わないのですが、客席で大声で「この人、有名なの?」「男よね?」なんて会話をしているのを耳にしたのには驚きました。

どんな人か知らないで来るには、1万数千円のチケットは高くないでしょうか?
もし、招待券をばらまいていて、観たかった人がチケットを買えなかったのだったら残念なことです。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
既存のバレリーナのイメージを覆した人ですよね〜、彼女の表現の自由さ、躍動感はやはりコンテで光る気がします。 フォーサイスなんて、ギエム様のように踊れる人はもう出ないかも、と思いますし。 ボレロもギエム様のは観ていてスカッと気分良いですし。 "Bye"というの私も観てみたかったな〜、残念(ため息)。 ファイナルの映像、ネット中継とか考えてくれると良いのですが。 
花宴
2015/12/30 23:50
◆花宴さん
おっしゃる通り!
彼女の出現によってバレリーナは変わりましたよね〜。
こぞって脚を高く上げるようになり、みんなギエムに近づこうとしていた時期もありました。

"Bye"、DVDは出てるみたいですね。
音楽は、ポゴレリッチの弾くベートーヴェンの最後のソナタを使ってるそうです。

とりあえず、明日のカウントダウンでしっかりギエム様最後の「ボレロ」を目に焼き付けようと思います!(TVだけど💦)
娑羅
2015/12/31 00:13

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