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zoom RSS ボリショイ・バレエ 「白鳥の湖」

<<   作成日時 : 2012/01/29 17:00   >>

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2012年1月29日(日)午後5時開演
会場:アクトシティ浜松

<出 演>
オデット/オディール:スヴェトラーナ・ルンキナ
ジークフリート王子:デイヴィッド・ホールバーグ
悪魔ロットバルト:ウラディスラフ・ラントラートフ

王妃:エカテリーナ・バリキナ
家庭教師:アレクセイ・ロパレーヴィチ
道化:デニス・メドヴェージェフ
王子の友人たち:アンナ・ニクーリナ、アンジェリーナ・ヴォロンツォーワ
儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフ

ハンガリーの王女:オルガ・マルチェンコワ
ロシアの王女:アンナ・レベツカヤ
スペインの王女:チナーラ・アリザーデ
ナポリの王女:ダリーヤ・コフロワ
ポーランドの王女:アンジェリーナ・ヴラシネツ

3羽の白鳥:アンジェリーナ・ヴラシネツ、オルガ・マルチェンコワ、ユリア・グレベンシコーワ
4羽の白鳥:スヴェトラーナ・パヴロワ、ユリア・ルンキナ、ダリーヤ・コフロワ、マルタリータ・シュライネル

ワルツ:アンナ・レベツカヤ、アンナ・オークネワ、マリーヤ・ヴィノグラードワ、ヤニーナ・パリエンコ、カリム・アブドゥーリン、デニス・ロトキン、アルテミー・ベリャコフ、ミハイル・クリュチコフ

<音 楽>チャイコフスキー

<演 出>ユーリー・グリゴローヴィチ

<原振付>マリウス・プティパ、レフ・イワノフ、アレクサンドル・ゴールスキー、ユーリー・グリゴローヴィチ

<指 揮>パーヴェル・ソローキン

<管弦楽>ボリショイ劇場管弦楽団


今時「白鳥」なんていつでもどこでも観られるし、今回はパスするつもりだったのですが、デイヴィッド君(ホールバーグ)が出演すると知り、あわてて取ったチケットでした。
間に合って良かった・・・その後、浜松公演は完売してしまいましたから・・・・。

学生時代の修士論文のテーマが、「バレエ音楽の上演時における変更」だったので、つい音楽の使い方にも注目してしまうのですが、音楽も含めて、グリゴローヴィチ版の特徴を書いておきたいと思います。

@王子様の登場は突然に・・・
イントロダクションに続いて演奏される【情景】は大幅にカットされ、すぐにワルツが始まります。
王子は幕が開くと、すぐに登場。
さすがにグリゴローヴィチ先生、王子の登場に、ただ歩くだけなんてさせません!
デイヴィッド君、下手奥から美しいジャンプで登場!
きゃ〜〜、まだ心の準備ができてないのにぃ〜〜〜〜!

Aパ・ド・トロワは王子が踊る
配役表を見ると、【王子の友人たち】が女性2人の名前のみ。
むむむ・・・この役はパ・ド・トロワを踊るはず。なぜ男性ダンサーの名前がないのだ?
パ・ド・トロワが始まると・・・・きゃ〜〜〜!王子が一緒に踊ってる〜〜〜!
1幕の王子って、立ってるだけ〜ってことが多いのに、デイヴィッド王子を目当てに来た私に、これは嬉しい演出ではありませんか

B王子はロットバルトに操られている!?
今回、これが一番興味深かったです。
「白鳥」を観に行くと、どうしても主役はオデットで、王子は添え物のような扱いになりがちなのですが、この演出では王子が物語の中心になっています。

ロットバルトが登場すると、やたら王子を追いかけたり同じ動きをしたり。
ロットバルトはオデットに呪いをかけただけではなく、王子をも操ろうとしている!?

C休憩は1回だけの2幕構成
通常「白鳥」は4幕構成ですが、グリゴロ版は1,2幕を第1幕、3,4幕を第2幕としていて、それぞれおよそ60分の長丁場。
オディールでグランを踊った後、休憩無しでオデットを続けるのは身体的にも過酷ですが、役の切り替えという点でも大変なのではないでしょうか。

Dキャラクターダンスはポワントで踊られる
通常3幕と扱われる2幕1場では、道化のソロを大幅にカットし、すぐにキャラクターダンスが始まります。
それぞれのソリストが各国の王女、つまり王子の花嫁候補という設定。
よって、花嫁候補たちのワルツも彼女たちによって踊られることになります。

女性ダンサーはソリストもコール・ド・バレエの人たちもポワント。
全員がポワントでキャラクターダンスを踊るって珍しいのでは?
華やかで見応えがあって、私はすごく気に入りました。

カットされることの多いルースカヤは、お国の踊りでもあるので期待していたのですが、ちょっと地味な振り付けで期待外れだったかも

スペインの踊りが人気が高いようですが、確かに見応えがありました。
過去にはあのオシポワも踊っているようなので、テクニックのあるダンサーのパートなのかもしれません。

オシポワが踊るスペインの踊り↓



Eオディールの登場、そしてグラン・・・でもその前に
いよいよオディールが登場!さぁ、お待ちかねのグラン・パ・ド・ドゥ!
・・・・と思っていたら、オディールと共に黒鳥さんが数人出てきて1曲踊りだしました。
曲はパ・ド・シスより第2ヴァリエーション。
続いて、今度はロットバルトも踊りだした!
曲は同じくパ・ド・シスより、第4ヴァリエーション。
その後、ようやくグランが始まりました・・・・って、オディールはグランの前に1曲踊ってるんだよね・・・・ハードだぁ〜。

F男性ヴァリエーションの曲はチャイパドから
通常踊られる曲ではなく、チャイコフスキー・パ・ド・ドゥの男性ヴァリエーションの曲。
ちなみにオディールの曲は、パ・ド・シスの第5ヴァリエーション。
この曲、絶対オディールのための曲ですよね〜。

Gエンディングは悲劇
そして何と言ってもこれ!
「オデットと王子の愛の力によって、悪魔は倒れたのでした〜」という、おとぎ話のようなエンディングではなく、王子がオデットを裏切ったことによる報いが、オデットの死という結果をもたらします。
オデットを死なせてしまった後悔に苛まれながら、王子は一人湖畔に取り残される・・・・。

よって音楽はH-durでは終わりません。あれは愛の勝利の音楽ですもんね。
じゃ、どうするか?
なんと!イントロダクションのh-mollのテーマを持ってきて静かに終わりました!
私は悲劇バージョンは初めてだったので、とても新鮮で気に入りましたね〜。
ただ、好き・嫌いは分かれそうだと思います。
特に、お子様には悲しい結末かな?

というわけで、グリゴロ版の「白鳥」はとても見応えがあり、見飽きたはずのこの作品の奥深さを教えられたような気がしました。

ラストは本当にドラマチックで、まさか「白鳥」でうるうるすることになるとは・・・・自分でもビックリ。
それぐらい、感動的な舞台でした。

しかし、感動的な舞台には、やはりダンサーの力が不可欠なわけで。
では、まずお目当てのデイヴィッド君から。

幕開き早々に爽やかなジャンプで舞台に現れ、もうそれだけで、こちらのボルテージも上がるというもの
彼は写真で見るより、舞台で観るほうがずっとずっと素敵!

こちら↓は、昨年11月ボリショイ劇場の「眠れる森の美女」から。


(なお、この公演は2/18のNHKプレミアムシアターで放送予定です。)


デイヴィッド君はただきれいというだけでなく、仕草一つとってもエレガントだし、なかなか演技力もあります。
今回、私は1階の後ろのほうの席での鑑賞でしたが、オペラグラスを使わなくても、彼の表現は後ろの席にまで伝わってきました。
それも、派手に演じてるわけではないのに。
わざとらしくない自然な表現で、非常に好感が持てました。

最後のほうは、彼がアラベスクをしたりジャンプをするだけで、いちいち感動してしまった私(笑)
だって、一つ一つの動きが本当にきれいなんだもん・・・・。うっとりでした

先に述べたように、グリゴロ版の「白鳥」は王子の踊りが多く、また王子を中心に物語が進むため、今回デイヴィッド君で観ることができて本当に良かったと思います。

オデットとオディールを踊ったのはルンキナ

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日本で人気の高い彼女ですが、正直、私は今まで彼女の良さがあまりわかりませんでした。
しかし、今回、初めて生の舞台を拝見し、非常に確実な踊りをするダンサーであることに感心しました。

思っていたより小柄な彼女は、大変な美人さんでもあります・・・が、今回は後ろの席のため、お顔はあまりよく見えず。
(オペラグラスは持って行ったんですが、なんせダンサーは動き回るので追いつけず・・・

一番感心したのは、ピルエットやピケターンの時のルティレの脚。
軸足に吸い付いているかのような、完璧なポジション!

小柄ですし、手足の長さを武器にするタイプではありませんが、ちょっとモニク・ルディエールを思い起こさせる安定度と、品の良さが印象的でした。

素顔は爽やかイケメンのラントラートフ君、今回はロットバルトに変身!

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ロットバルトも結構踊るシーンがあり、テクニックの見せ場も多いのですが、すごく良かったと思います。
技巧的なパには、観客も大きな拍手を送っていました。
ただ・・・王子と絡むシーンが多いため、私の目はデイヴィッド君を追いかけてしまい、いまいち印象に残ってない・・・・(汗)
ごめん!ラントラートフ!

そのほかでは、スペインの王女を踊ったアリザーデが印象的。
彼女は前日の「ライモンダ」でも印象に残るヴァリエーションを踊っていたので、もっと踊りを観てみたくなりました♪

さて、いいことばっかりではなく、ちょっと気になったことも。

まず、オーケストラ。
確かに素晴らしかったんですが、有名な白鳥と王子のアダージオで、小節の見落としなのかカウントの間違いなのか、フルートがほかのパートと明らかにずれてしまい、あわてて最後の部分を付け足した・・・みたいなところがあり、ドキッ!としました

そして、四羽の白鳥。
左から2番目の子!(名前わからんけど)
いきなり一人だけ前に飛び出しすぎ!
首の角度が一人だけ違う!
なんで〜〜〜!?急遽配役されたの!?
天下のボリショイが、四羽でそろえられないのは許されないでしょー!

どちらも有名なシーンだけに、ちょっと信じられないミスでした・・・・。

でも、グリゴロ版は面白かったし、デイヴィッドとルンキナを始めとしたダンサー達の熱演のお蔭で、「白鳥の湖」の素晴らしさと奥深さを再認識させていただき、本当に行って良かったです!

「白鳥」に飽き飽きしている皆さん、一度グリゴロ版をお試しあれ!

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
う〜ん。ホールバーグ君、絶好調ですね〜♪ 今時稀な正統派キラキラ王子様! アメリカ人で、ボリショイのプリンシパルとして踊るのは、大変なプレッシャーだと思うのですが、彼は志が高いのでしょうね。 

ボリショイの白鳥、王子はジャンプで登場!? 何て派手(笑)。 演出は最近は身投げヴァージョンとか、ロットバルトに良いとこ取りされヴァージョンとか、好みはそれぞれですが、白鳥ってその辺も興味深いんです(笑)。 
花宴
2012/02/03 05:37
■花宴さん
いや〜、デイヴィッド君にはハマりそうですわ〜

「白鳥」に悲劇バージョンがあることは知っていたのですが、なかなかお目にかかる機会がなかったので、本当にこのグリゴロ版は新鮮でした!
王子が活躍するのはやっぱり嬉しいです
娑羅
2012/02/03 23:39
すごい力作レポ参考になります。『白鳥の湖』ものすごい昔にボリショイの来日で観たことがあるのですが、最近は観てないので今回こちらも見ればよかったです。
あ、マシュー・ボーンの『白鳥の湖』は観ました。これはもちろん王子が主役よ!
galahad
2012/02/05 21:51
■galahadさん
今日はお会いできて良かったです♪
もちろん、「スパルタクス」のレポも後日あげますよぉ〜

私もマシュー・ボーンの「白鳥」観ました!
でも、実際の舞台よりも映像のほうが印象に残ってます
あれは音楽の使い方も面白かったです。
かなりブームになりましたよね。
私の友達は3回ぐらい観に行ってました(笑)
娑羅
2012/02/05 23:57

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